自分では当たり前に思っていることでも、他の人にとっては特別なことかもしれない。
逆に、自分が憧れていることは、あの人にとっては、日常の風景かもしれない。
いろんな人の“普通”や“特別”を聞いていくことで、何気なく過ごす日々の中で、ふとした幸せに気づくきっかけになれば…
そんな想いでつづるシリーズ企画です。
「黒田さんのフツウ」
黒田さん 48歳、宮崎県出身。
ニシキ醤油には2009年に入社。
今は製造部門で充填や火入れなどを行っています。
小さい頃から絵を描くのが好きで、以前は、アニメーションの背景美術専門の会社でひたすら背景を描いていたそうです。

そんな黒田さんに聞いてみました。
-黒田さんにとって仕事でのフツウとは?
「日々の業務は淡々とした作業も多く、充填や箱詰めなどは普通の風景かなと思います。
もともとせわしいのはあまり好きじゃなくて、醤油は時間をかけてつくっているイメージがあって興味が湧いたのですが、実際は意外とやることがたくさんあって、のんびりしてはいられない毎日です。笑」
―仕事で特別だなと感じることはありますか?
「火入れはなかなか普通の人は体験できないので特別かなと思います。火入れ作業をするとき、もろみのにおいが結構きついんです。
事務所に戻ったりすると、あ、結構においがしていたんだなと気づくことがありますね。」

―プライベートではどうですか?
「一人でゆっくりするのが好きなのと、お酒が大好きなので、毎日晩酌してゆっくりしている瞬間が当たり前だけど特別ですね。
最近は本麒麟が好きでよくのみます。
あとは、空を眺めたり、ぼーっとする時間が好きですね。
昔、絵を描く仕事をしていたときは、毎日徹夜ばかりで大変だったので、ゆっくりできる時間は貴重です。
最近は全然絵を描いていないのですが、たまに新聞の広告でタレントさんとかが出ているものがあると思うんですけど、それに髪型などの落書きしたりして楽しんでいます。
やっぱり絵を描いてる時間が、ぼくにとっては特別ですね。
でも、別に絵を見てほしいとは思わなくて、ただただ描くのが好きなんだと思います。」

のんびりするのが好きな、大人しい性格の黒田さん。自分が心から好きと思えることがあるって羨ましいですね。
実は黒田さん、携帯電話は持たない派だそうです。
家族からは持ってほしいとは言われているそうですが、手にしてしまうと、失うものがあることが分かるからなのでしょう。
忙しい毎日だけど、何もしない時間、好きなことに没頭する時間、大切にしたいですね。